社会変革のための
プロジェクト

2025/05/28

鹿児島霧島から持続可能な暮らしを伝える。 地域資源を活用した限界集落の再生に取り組む、 「小浜ヴィレッジ 有村氏」の挑戦。

「地域資源を活用し、持続可能な村づくりを通じて限界集落を再生する。」

有村さんは、人口減少と空き家問題が深刻化する中で、地域の木材や農産物を活かし、地元の人々と共に未来を築くことです。

事例企業情報

・株式会社住まいず
・1945年創業
・活動エリア 鹿児島県
・代表者 有村 康弘 氏
・事業内容 建築に関わる企画・設計・施工・監理メンテナンス

※本記事の内容は2024年5月のプレゼンテーション(CLミーティング)の動画をもとに掲載しています。

 

 

霧島を照らす希望の星—地域の未来を創る村づくり

 

 

「地域の未来は、自らの手で創るしかない。」

そう語るのは、鹿児島県で住宅会社「住まいず」と村づくり事業「obama village」を手掛ける有村氏。彼は、双子の兄とともに、地元に根ざした持続可能なまちづくりに挑戦している。

今、日本全国の地方では人口減少が進み、多くの町や村が消滅の危機に瀕している。特に鹿児島県のような地方都市では、今後20年で住宅需要が半減し、空き家率が30%を超えると予測されている。そんな時代において、彼は「住宅会社の経営者として何をすべきか?」を問い続けた。その答えが「希望の星となる村を創る」ことだった。

 

歴史と地域に根ざした家づくり

 

有村家は、400年以上にわたり林業を営んできた歴史を持つ。初代は土佐藩の家臣として関ヶ原の戦いに敗れ、鹿児島へと逃れたことが始まりだという。代々、山を守り、木を育て、それを生業としてきた。しかし、時代とともに木材業は厳しくなり、父の代で住宅会社へと業態を変えた。

その中で彼が見出したのは、「地材地建(ちざいちけん)」というコンセプト。これは、地元の木材を使い、地元の職人が建てる家づくりを意味する。特に鹿児島は森林面積が広く、多くの人が山を所有している。そのため、有村氏は「自分の山の木で家を建てる」という昔ながらのスタイルを復活させた。

「おじいちゃんが育てた木で孫が住む家を建てる。そこには家族の歴史が宿る。」

この想いのもと、彼の手掛ける家づくりは単なる住宅提供にとどまらず、地域文化の継承や環境保全にも寄与している。

 

限界集落を希望の村に—obama village誕生

 

だが、住宅業界の未来は決して明るくない。人口減少が進めば、家を建てる人も減る。それならば、どうするか?

そこで彼が目をつけたのが、鹿児島県霧島市の小浜(オバマ)地区だった。ここは人口694人、高齢者率50%超の限界集落。この地域を再生し、未来につなげるために「オバマビレッジ」プロジェクトを立ち上げた。

obama villageは、単なる住宅開発ではなく、「持続可能な村づくり」を目指している。そのために、以下の要素を取り入れた。

  • 地域経済の循環:地元の農産物を使ったパン屋など、地域資源を活用するビジネスを誘致。

  • 環境負荷の軽減:生活排水の浄化システムを導入し、自然環境に配慮。

  • 教育と子育ての環境整備:過疎化が進む地域の小学校に新しい家族を呼び込み、実際に児童数が増加。

こうした取り組みが実を結び、obama villageは少しずつ活気を取り戻しつつある。そして、ここでの成功をモデルケースとし、全国100カ所に同様の村を作るという壮大なビジョンが描かれている。

 

 

未来を創る—行動するリーダーとして

「未来を予測する最善の方法は、自ら未来を創ることだ。」

この言葉を胸に、有村氏は挑戦を続けている。彼のように、地域の未来を本気で考え、行動する経営者がいることが、日本の地方にとって希望の光となる。

このプロジェクトは、単なる地域再生の一例ではない。これは、「どう生きるか」「どう社会と向き合うか」という、すべての経営者に投げかけられた問いでもある。

経営実践研究会では、「地域企業が社会の変革を担う」ことを理念に、多くの企業と共に社会課題に取り組んでいる。有村氏の取り組みは、その理念を体現する象徴的なプロジェクトのひとつだ。

このような事例に共感し、未来を共に創る仲間を求めている方がいれば、ぜひ一緒に考え、行動していきたい。

あなたのビジネスは、社会の何を変えようとしているか?

 

 

志を伝えるプレゼンテーション動画

 

有村氏の取り組みは、経営実践研究会内で行っているプレゼンテーション(CLミーティング)の動画で知ることができます。

ご覧ください。

株式会社住まいず 有村 康弘 氏
霧島を照らす希望の星となる~限界集落を突破する持続可能な村づくりの挑戦~

<動画埋め込み= https://youtu.be/srhCFSPOPnI?feature=shared

 

私たち経営実践研究会では、地域企業(中小企業)が中心となり、各地で企業・自治体・様々な社会活動に取り組む方々と連携しています。経営実践研究会は、強い輝きを放つ地域企業(中小企業)を多く輩出し、事業を通じた社会課題解決に向けた活動を行い、持続可能な社会を構築していきます。