社会変革のための
プロジェクト

2025/02/24

創業77年、青森のリンゴ箱から始まる社会課題解決。「食料とエネルギーの保障」を地域産業の底上げで実現するうばさわの挑戦。

姥澤さんの志

地域資源を活用し、廃棄されるリンゴ箱に新たな命を吹き込む。
持続可能な社会を目指し、未来の世代が安心して暮らせる基盤を創り出したい。

 

事例企業情報

  • ・株式会社うばさわ
    ・1948年創業
    ・活動エリア 青森県
    ・代表者 姥澤 匡柳 氏
    ・事業内容 りんご包装資材 販売/梱包材 製造・販売
  • ※本記事の内容は2023年4月の会員プレゼンテーション(CLミーティング)の動画をもとに作成しています。

 

 

歴史を紡ぐリンゴ箱の挑戦

 

私たちの住む地域の未来を考えるとき、社会課題に真正面から向き合う覚悟が必要です。

青森を拠点に活動する姥澤匡柳さんは、そんな覚悟を胸に、地域産業と社会課題の解決に挑むひとりのリーダーです。

その情熱が詰まった一つのストーリーを共有します。


姥澤さんは、青森のリンゴ箱製造を受け継ぐ3代目として、地域に根差した伝統的な仕事に携わっています。

リンゴ箱と聞けば、ただの梱包資材と思うかもしれません。

しかし、その一つ一つには、地域の歴史、産業、そして未来への希望が詰まっています。
彼の祖母が昭和23年に始めた事業は、貨物列車で全国にリンゴを送り出す時代から続いています。

当時は木箱が主流でしたが、昭和40年代に段ボールが登場し、業界の様相は一変しました。

変化に対応する中で、事業は木箱から段ボール、さらに資材販売へと形を変え、進化してきました。

 

木箱の再利用から始まるイノベーション

 

姥澤さんが特に注目したのは、「木箱」という素材の持つ新たな可能性です。

 

現在、使い古された木箱が青森県内で余剰資材となり、廃棄されるケースが増えています。その背景には、プラスチックコンテナの普及や市場の需要変化があります。

これを単なる廃棄問題として終わらせるのではなく、姥澤さんは再利用という形で新しい価値を創り出そうと考えました。


例えば、古い木箱を活用した家具や建材の製造。リンゴ箱の粗削りな魅力を活かしたテーブルや椅子、壁材など、インテリアとして再利用することで、その価値を新たに引き出しています。

また、木箱を使ったアウトドア用品やクーラーボックスの開発にも挑戦し、地域資源を活用した製品を次々と世に送り出しています。

 

地域貢献と未来への展望

 

しかし、姥澤さんの挑戦は単にビジネスの枠に留まりません。


彼は地域貢献を常に念頭に置いています。

あるとき、地元の中学校に寄付を行う際、「物ではなく、夢や希望を届けたい」と考え、著名な講演者を招いて生徒たちへ熱いメッセージを贈る企画を実現しました。

この取り組みは大きな反響を呼び、多くの生徒が新たな視点を得る機会となりました。

 

さらに、彼の目指す未来像は、「最低限の食料とエネルギーが保障される社会」です。

「お金に縛られず、誰もが安心して暮らせる仕組みを創りたい」という思いを胸に、地域産業の底上げを通じてその実現を模索しています。

 

 

志を伝えるプレゼンテーション動画

姥澤さんの取り組みの詳細は、経営実践研究会内で毎月行っているオンラインプレゼンテーション(CLミーティング)の動画で知ることができます。下記動画をご覧ください。

 

株式会社うばさわ 姥澤 匡柳 氏
青森りんごとともに持続可能な企業を目指す

 


 

私たち経営実践研究会では、地域企業(中小企業)が中心となり、各地で企業・自治体・様々な社会活動に取り組む方々と連携しています。

経営実践研究会は、強い輝きを放つ地域企業(中小企業)を多く輩出し、事業を通じた社会課題解決に向けた活動を行い、持続可能な社会を構築していきます。