インタビュー|真田明子氏【明蓬館SNEC】一人一人のペースに合わせた三位一体のケアで高校卒業をサポート

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真田明子氏【明蓬館SNEC】一人一人のペースに合わせた三位一体のケアで高校卒業をサポート

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起業家と共に世界を変える


多岐にわたる特性に応じた学校がない

明蓬館SNEC 大阪・玉造 しんあい高等学校 学院長 真田明子(以下:真田):「今回開校する学校がこちら明蓬館の高等学校の、SNECで『スネック』と呼びます。 明蓬館の高等学校のサテライト校みたいな形ですね。

対象となる生徒さんはどちらかというと不登校気味だったり、発達に特性があったり、場合によっては発達障害という判定というか、そういった障害があると診断を受けた方々になります。

実際に学校に行けてない、不登校のお子さんの中にそういう発達障害、発達特性があるために、一般の生徒さんと一緒に授業を受けることが、少し環境に馴染めず難しいという生徒さんもいます。

詳しくお話をすると、発達特性の一つの中に『コミュニケーションを苦手』とする生徒さんがいます。

普通に話すことは出来ますが、人の話を聞いて想像力から話を膨らませていくという言葉のキャッチボールが、脳の機能的なことが原因で苦手な子どももいます。

お話や読み書きそろばんが出来るのに、どうしても話が嚙み合わなかったりします。

そうすると、学校で友達が出来にくい、友達との関係性が上手くいかないことで学校に不登校に繋がります。

また授業を受けていくことで色々な発達の特性があることによって、授業の内容が一回で把握することが難しいという。

知的レベル的には大きく問題はありませんが、理解力の問題で、文字で理解することが難しい場合もあります。また先生の言っている言葉そのものをかみ砕いて自分の中で解釈するのが難しいという特性もあります。

その他に、見え方・聞こえ方が違うという障害もあります。
私たちはこの文字、この見え方はおそらく一緒だと思いますが、色覚障害の方もいます。
昔でいうと色盲ですね。
日本男性の20人に1人は色覚障害があると言われています。
私、昭和34生まれでですが、私の時代は学校で色覚障害の検査をしました。
このような本を使って「どう見えていますか?」みたいな。」

株式会社フォーユーカンパニー 代表取締役 宮本宏治(以下、宮本):「やりましたね。絵がみえるやつですよね。」

真田:「そうです。これなんて見えますかみたいなね。これは、今、差別につながるそうでやらないんですよ。」

宮本:「あぁ・・・、やらないんですね。」

真田:「そうすると、大人になるまで自分が色覚、見え方が違うというのが気が付かないです。
緑と赤の判定が難しくて、両方とも同じような茶色っぽい色に見えます。
障害の度合いにもよります。
そのために私たちも実は『メディアユニバーサルデザイン』ということで、色覚障害の人に対応した、印刷物に色を配慮して見えやすいように、印刷業界さんでそういう取り組みをしています。

例えば、ユニクロのチラシはTシャツがカラーいっぱいで掲載されています。
私が見ると、色んなカラー色で見えますが、「色覚障害の人はこう見えています」というグラスがあって、それで見ると驚く色で見えてしまいます。

でも、自分が子供のころから見え方が、他の人とは違うということが分からなかったら、色の判別がつきにくいです。
いろんな会話をしていくうちに、「なんとなく僕は違うんじゃない」ということが大人になってから分かってきます。

それと同じように見え方の場合は、この文字が反転していたり、ボヤーっと見えたりします。
そうすると、先生が黒板とかホワイトボーでの板書が、見え方が違うために板書から筆記することができない上に、すぐ先生に消されてしまうから書けない。というような状況が起きます。

そういう様々な特性を全体的に『発達障害』という言い方にしていますが、ものすごく多岐におよんでいます。

そうすると学校で、先生方も一人一人ご対応するということは難しく、教員の先生方にも情報と専門知識が兼ね備っていないということもあります。
そのために結果的に学力が伸びないことや、学校生活で色んな問題が生じて、学校に行くのが嫌になり、不登校のお子さんが今右肩上がりで増えています。

そういう子たちが、小学校、中学校は義務教育ですから、なんとか卒業することが出来ますが、高校はそういうわけにはいかず、ギリギリでも入試試験は合格することが出来て、高校には行けますが、実際に続けられないということがあって、登校が出来てないお子さんも多くいます。

そういう中で、今、学校に行けてない、あるいはもう学校を辞めてしまったという生徒さんを、私どもの学校で受け入れさせていただいて、一般校ではほとんどやらない一人一人に個別で配慮した、『教育計画』と、『日常生活の支援計画』を立てて、心理カウンセラー、臨床心理士の先生、心のケア、そして私たちのような福祉職員で生活全般をケアします。

そして、『教員の免許を持っていなくても学習指導が出来る。』そういう教育の学力の面のサポート、この三位一体で一人の生徒さんをケアして、高校卒業資格までもっていきましょうというのが、この学校の大きな特徴です。
これがおそらく日本初だと思います。これが『明蓬館高等学校』です。

どこの大学に行ったという事ではなく、社会に出て何が出来るか、どういう役に立てるか

「日本は不登校のお子さんだけでなく、日本の高校を卒業してないと日本の大学には入学できないです。もしくは大検を取るかの二つの選択肢しかありません。
そうすると例えば、サッカーで海外に留学したい、クラシックバレエや芸術で海外に留学したいとなったときに、高校に通うことが出来ないので、その子たちは海外の学校に行ったとしても、日本に帰国してから一般の大学へ進学出来ません。


そういう子たちの未来の夢を叶えるということで、インターネットを通して動画配信で授業を受けることが出来ます。
そうすると、いつでも、どこでも、誰でも世界中何処にいても、授業を受けることが出来ます。
そして、レポートを提出することによって、その授業を受けましたという出席になります。
一年に一回だけ4日間スクーリングという、直接授業を受けなければいけませんが、この通信制の高等学校の教育制度のルールになって従っています。
そのために一年に一回だけ日本に帰ってきて4日間面接授業を受けて頂きます。それ以外は海外に居ながらにして高校の科目の履修が出来ます。」

宮本:「すごいですね」

真田:「この応用を不登校で悩んでいる学生に、家に居ながらにしてネット環境さえ整えば、家の部屋の中で授業を受けて、先生とお話をすることが出来ます。

通常の高校は、試験でその履修科目を修了したかしないかを判断すると思いますが、
私どもは試験でやるケースもありますが、試験だけではなく成果物を提出してもらうという事を併せて評価としていますので、学力的にギリギリという学生でも成果物を出して下さったらそれで評価をします。

そうすると、海外に行かれている方でも、テストを受けることが出来なくても、そういうことで対応することが出来ます。

私は、『学び方』とは本来こうあるべきだなと思うのが、
日本社会では、大学に合格するには偏差値など学力的な面を、評価するために基準があると思いますが、それはあくまでその大学に入るための基準であり、その子が人生を生きていくために、直接的に必要なものではないと思っています。

一番重要なのは、どこの大学に行ったという事ではなく、社会に出て何が出来るか、どういう役に立てるかが重要なことだと思っています。

どんな人でもまずは日本のルールがありますが、『高校卒業資格』を得られる一つの選択肢を作ってあげることによって、子どもたちの未来が広がっていく可能性があります。

その考えの下、明蓬館高等学校の校長の日野先生という方がいち早くそういうのに着目されてこのような学校を作られました。

大切なのは、いかに社会と繋げてあげるか

真田:「本当に一人一人個別で、その子に寄り添った高校生活を送っていただくというのが、この『スネック』というSNECのSPECIAL NEEDS EDUCATION CENTERという略です。

SPECIAL NEEDSというのが特別支援という意味ですが、「特別に支援が必要なお子さんたちを対象にした教育センターですよ」という意味です。
このような学校が、東京の品川、御殿山から始まり、関東圏内にどんどん広がっています。
れが関西圏から西のほうが全然なく、昨年の5月にたまたま校長先生とご縁が繋がり、私どもが東京に出向いて、「なぜ関西にはないんでしょう?」という話をしました。

関西は通信制の高等学校が日本で一番多い地域です。
また発達障害や不登校のお子さんが多く、どこの高等学校も『不登校・発達障害のお子さんを受け入れます』と謳っています。

そうすると、親御さんはとりあえず学校に入れたら一安心と思いますから、入学させますが、やっぱり続けられないあるいは辞めるというお子さんがいます。

私どもへの問い合わせで多いのが、「他の高校に入学しましたが、子どもが学校に行けてなくて・・・転入できますか?」という問合せや、「いったん他の学校を止めてしまったけど受け入れ可能ですか?」という、
あるいは支援学校の高等部に通われている生徒さんでも、もう少し先生方が寄り添ってあげたら一般校でもはいれるような子でも、全部支援学校に流れてしまいます。

結局選択肢が少ないが故に・・・。

私たちは入り口を作っていますけど、本当はもう中学の段階でしっかりそれを受け止める機関やサービスなどがあればいいと思います。皆さん3年生になってからあわてて学校を探すわけですよね。

保護者の方は、何とか受け入れてくれる学校を探して入学させますが、結局は『不登校・発達障害のお子さんを受け入れます』と謳っていても、そういう配慮がない高等学校が多いために、入学はしたけれど続けられない・・・、そうすると生徒たちの『自己肯定感』を根こそぎなくなる状態になり、「結局、自分はだめなんだ・・・」という風になってしまいます。そうすると次に二次障害みたいになってしまいます。
全く外出が出来ない状態になったり、対人恐怖やうつ病にもなってしまいます。そういうことが、実際に起きてしまっている現状を耳にしています。

私たちは『高校卒業資格を取得』できるというのは大前提にしていますが、この子たちは高校卒業資格を取っただけではゴールにはなりません。

その次が重要で、やはりいかに社会と繋げてあげることが重要です。
また社会に出て上手くいかなかったときに帰ってくる場所を作ってあげなければだめなんです。
また家に引きこもった子どもたちに対しては、私たちは『福祉という事業』を通してカバーしていきたいと考えています。ここが「社会への巣立ちへ」の後押しということですね。

私は多くの経営塾で勉強していますので、経営者さん「すぐに障害者雇用をしてください」いっているのではなくて、高校2年生くらいから、実習で受け入れて頂いて、そこで「この子いけそうやな」と思ったらインターンシップみたいな形で、高校の時からそのように受け入れて頂いて、戦力になりそうなら採用していただくという方法も考えています。

障害のある子たちは、一般の子供さんみたいに、自分の思いを伝えられないことが多いです。でも一緒に過ごしてもらうと、この子たちの本当の素晴らしさを理解して頂けるのではと思っています。

国の方針の通りは、企業は本当に障害者雇用を積極的に取り組んで頂ければなりません。
でも企業には障害者をサポートする仕組みないために、雇用が難しいと思われます。

そのために、採用し て頂いたあとに私どもが準コーチをしたり、サポーターなどを派遣して、困ったことがあれば私たちがお手伝いをさせて頂く、そういうことで事業をやっていけたらなと考えております。

そのような理由で、高校をやるということだけが実はメインではなく、この学校で子ども達と一緒に3年間学ぶことで、得意なことや好きなことコミュニケーションの取り方などを、私たちがしっかり支援・指導していくことで、「ちょっと社会に出てもいいかな」とか、「社会に出られそう」というところまで導くことができればと思っています。
あとは、もう企業さんとマッチングしてサポートしていくという事になると思います。」

宮本:「すごいですねー。この仕組みが増えれば発達障害の子ども達も社会に出ることができますね。でも親が発達障害と認めない場合もあるんですよね・・・?」

真田:「あります。障害者手帳も取得するか取得しないか、ご相談があります。
「障害者手帳取ったほうがいいですか?」と、でも私たちはいいか悪いかの判断はできませんが、取った場合のメリットと取った場合のデメリットとの話はできます。

デメリットというのは、障害者手帳があるということは障害者であるという事を認めていることになりますから認めざるを得ません。
でも、手帳があることによっていわゆるその障害福祉のサービスを受けることが出来るので、そういう意味においてもプラス面があることを説明します。
ただ、取られても使う使わないという判断は、保護者が考えることですから、「保険みたいな感じで障害者手帳を取るという方法もありますよ」と話をします。

一番の問題は大人になったときに手帳があると【障害者年金】がもらえます。
それが大きいと思います。本当は教育だけでこの子たちを支援することは難しいと思います。福祉と医療という両方の側面で、どうやって教育を通して社会へと繋げるか、チームを組まないと難しいと思っています。そういうことは国が、どんな子どもでも当たり前に教育を受けられるような支援をしてくれたらなと思っています。本当に日本は遅れています。

宮本:「一般の通信制高校との一番の違いというのは、一人一人のペースに合わせて個別計画を立てて、いつでもここに来られる環境になっているんですね。」

真田:「はい。インターネットだけで、ご自宅で授業を受けて、月2回だけ来るというお子さんもいますが、先ず三位一体で臨床心理士、一般の学校だとカウンセラーみたいな人は居るかもしれませんが、それはその子が「なんかしんどいです」って自分で我慢してから判断してカウンセリングを受けますが、最初から臨床心理士が入りますので、その子が必要か必要じゃないかという選択じゃなく最初から全員でサポートしますということで入ります。

そういう三位一体の側面からお子さんをサポートするということと、後は、やはり履修科目の評価ですね。
これは試験だけではなく、成果物を通して評価していきます。またこの成果物ですが、
私が上手く考えてはるなと思ったのが、例えば、お料理がすごく得意で料理が上手に出来るという子がいるとします。
そうすると、『料理』を一つのテーマにして、自分の料理のレシピを英語でレシピを作ると、英語の成果物になります。料理に使った食材の成分を分析すると科学の成果物になります。このように一つの『料理というテーマ』に関していろんな科目に当てはめることで、成果物にするということができます。これは試験で合格する、試験で、あなた数学オッケーですっていうよりも実用的だと思いません?」

宮本:「実用的ですね。」

真田:「そう、社会にとっても実用的だなと思って、これはよく考えられた仕組みだと思います。
生徒たちと一緒に考えていきます。成果物を作っていくプロセスにもすごく意味があって、何かを一緒に作り上げる事や、また家に帰ってお母さんと、お父さんと一緒にやって頂くとか。
試験で全ての事を評価するよりも、自ら考え作ったもので評価されることは、学校の時代にしか体験できないことだと思っており、結果的にはすごく良い評価になると思っています。

森下:「好きなことだから。」

真田:「そうです。だから結局社会に出るってそういう事だよねって、だからそういう子をどんどん育てていって、お仕事と個性をどういう風に繋げるかが大切だと思います。しかも子どもたちは得意なことがあったらどんどん喋れる。」

森下:「いや~、人のための学校ですよね。」

真田:「やっぱり通うのは誰って思うわけです。子供たちが通いたくなるような学校じゃないと広がっていかないと思って。親御さんが「何とかどっかの学校」っていう気持ちもすごく分かりますが、実際やっぱ通って社会に出るのは子どもたちなので・・・。
もう少ししたら発達障害というよりも、「新しい君たちの未来の選択肢のためにスペシャルニーズをこちらでサポートします」って。そういう学校になったらいいなって。
高校の卒業資格は自宅でも取れますから、それ以外を充実させたいですね。」

宮本:「ぜひ、僕たち経営実践研究会で、そのお手伝いをさせて下さい。みんな本気で社会の役に立ちたいと思っている経営者がいますので。」

宮本:「本日は貴重なお話ありがとうございました。」

宮本:「本日は本当にありがとうございました。」

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