インタビュー|黄瀬光晴氏【黄瀬商事株式会社】日本中が親子を応援できる社会を目指す

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黄瀬光晴氏【黄瀬商事株式会社】日本中が親子を応援できる社会を目指す

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日本中が親子を応援できる社会を目指す

今回のインタビューは黄瀬商事株式会社 専務 黄瀬光晴氏。曽祖父から90年もの歴史がある黄瀬商事株式会社。育児用品を販売通じて
『就学前の子供を育てる親に喜び溢れる親子の絆を深める』
『子が宝なら親も宝 日本中が国の宝を応援できる社会を作る』といったビジョンを掲げる黄瀬商事株式会社。そこには親子の絆に対するひたむきな姿勢がありました。『育児用品を生産販売する』という立場から現代日本の『親子の在り方』を問う黄瀬氏からそこにある想いを伺いました。

曽祖父から始まった波乱万丈の歴史

会員:それではまずルーツから教えてください。

黄瀬商事株式会社 専務 黄瀬光晴氏(以下、黄瀬):黄瀬商事のルーツは曽祖父の時代、大正13年(1924年)にあります。ルーツから辿ると現在で90年ほどになります。初代・黄瀬幾喜の奮起から始まりました。ほとんどの人が貧しい生活を送る中、「一家の大黒柱として家族を食べさせねば」とはぎれ(着物などを裁った、残りの布。:大辞林 第3版より)の買い取り販売を開始しました。その後、カネボウとの大口取引を獲得したこと、日中戦争による物資不足ではぎれの需要が増大したことで事業は急激に拡大しました。昭和12年(1973年)には現在の玉造に『黄瀬眞太郎商店』を創業します。

昭和16年(1941年)に太平洋戦争が勃発すると、順調に事業拡大をしていたのが一変。繊維が戦略物資として統制されたことで廃業に追い込まれました。しかし、なんとかしなければいけないと昭和28年(1953年)に『黄瀬商店』を立ち上げて再スタートしました。かつての信頼や実績からカネボウ、クラボウなど大手のメーカーとの取引も復活、東南アジア向け生地販売事業を軌道に乗せ成長していきました。

その後『黄瀬株式会社』と社名を変更、私の祖父にあたる黄瀬光男が2代目としていち早く合成繊維を取り扱い、売り上げを伸ばしていきました。昭和48年には創業50周年を迎え、三菱商事やクラボウ、カネボウ、三井物産など名だたる企業から盛大に祝わっていただきました。そして、昭和49年(1974年)『黄瀬商事株式会社』という今の社名に変更されました。

友人の要望から始まった育児雑貨

黄瀬:そこから平成元年(1989年)に『キューズベリー』というブランドが立ち上がりました。そこでは婦人服の販売を行なっていました。元々繊維をやっていたのですが、日本でもファッションが注目される時代になってきていたので、婦人服の販売を始めました。そんな中、平成18年(2006年)私の父が歩けなくなるくらいの事故に遭い、車椅子生活を余儀なくされました。それまでは海外に商談に行ったりしていたのですが、それも出来なくなったということで婦人服自体をやめるという決断に至りました。

じゃあ何をしたらいいんだという時に父の友人から母子手帳ケースを作ってくれないかとの依頼がありました。それまでは良いデザインのものがなかったそうで、おしゃれな母子手帳ケースを作ってくれないかという依頼だったそうです。そこから抱っこ紐に繋がり、育児雑貨を販売する『キューズベリー』というものが出来上がりました。

会員:話が戻ってしまうのですが、なぜお父さんが海外に行けなくなったからといって海外事業を縮小させるまでに至ったのですか??

黄瀬:うちの父はワンマンだったんです。海外にも自分一人で行っていて、そこでどうするかを話していました。それが伝えられなくなってしまったというのが大きいです。その反省から私はみんながいて『キューズベリー』だと思っていて、みんなでやりたい、一人一人が自分で考えて実行して楽しんでもらう。それが『キューズベリー』だと思っています。

山あり谷ありの人生にある喜びに気づき大切にする

会員:経営理念やビジョンはどういったものを持っていらっしゃいますか?

黄瀬:経営理念は『喜びの旅をしよう』というもので、これは私たちの代で社会のいろんな波に揉まれながらたどり着いたものです。この言葉は山あり谷ありの人生にある喜びに気づき大切にすること、そして私たち一人一人が物事の本質を真摯に捉え、その先に広がる喜びを見つけ課題を設定し挑戦することです。これが私たちの経営理念になっています。

会員:素晴らしいですね。

黄瀬:ありがとうございます。そしてビジョンが二つありまして、一つ目が『就学前の子供を育てる親に喜び溢れる親子の絆を深める』です。育児期間はたくさんの問題が発生します。出産を終えたママは産後のホルモンバランスの激変によりイライラしやすい状態。そんな中、産前との生活の激変に晒されます。骨盤もぐらぐらで体を壊しやすい中、24時間赤ちゃんに付きっきりになり睡眠時間もろくに取れません。これは子供が0〜2歳の時に当てはまります。待機児童やお金の問題などで子供を保育園に預けられないとこういった状態に追い込まれてしまうことがあります。

また、ハウツーではない本質的な育児の教育が不足していることにより、ママは赤ちゃんの発達を不安に思い、ストレスを感じます。さらにパパや地域の人のサポートが欠如するケースではさらなる精神的ストレスが降りかかります。そんな状況が続くとママは時間と心の余裕を感じることができなくなり、パパや赤ちゃんとのコミュニケーション問題に発展することもあります。

問題が解決しなかった場合、離婚による経済負担、子供への精神的肉体的虐待、子供の自己肯定感の発達阻害が起こる可能性があります。そのような環境で育った子供は自分の子供へもそういった行為をしてしまう負の連鎖が起きることもあります。私たちはこのような育児の現状を知り、ママが少しでも時間と心の余裕を感じられる「モノ・コト」を生み出し、本質的な育児の知識と適切なコミュニケーションを伝え広げる事で、家族がお互いを尊敬し、愛し愛される喜びを分かち合えるきっかけを作り、親子の芯である親子の絆を深めるお手伝いをします。

子が宝なら親も宝、国の宝を応援できる社会を作る

黄瀬:二つ目が『子が宝なら親も宝 日本中が国の宝を応援できる社会を作る』です。子供が問題を起こすと責められるのは主にママです。子供が泣いた時にどうにもならず困っていると「甘やかしすぎ」「過保護なんじゃない」とママの事情や育児の知識を知ろうともせず、想像で言葉をかける人が多々います。それがママの心をどれだけ傷つけ、不安にしているかも知りません。日本では子育てにおいて特にママの責任が強く求められます。そのためママは子育てを楽しいと感じられず、不安が大きくなってしまいます。しかし、子育てはママだけがするものではなく、パパ、祖父、祖母、先生、地域、ママ同士のサポートが必要です。

子供は未来の社会作りを担う宝、その子供を育てる親も宝です。この事を念頭に置き、子育てに奮闘するママを皆で守り、サポートしていくことが重要だと感じています。一人一人が育児への関心と知識を持ち、親子を応援する社会になれば人を思いあえる社会へ繋がり、ひいては誰にとっても安心して人生を歩むことができ、喜び溢れる社会になると私達は信じています。そのために私達はミッションを遂行し、日本中が国の宝を応援できる社会を作っていきます。

そのために使命が4つありまして、
1 就学前の子を育てる親の時間と心の余裕を作ることができる「モノ・コト」を作る
2 子と親がより良い未来を選択できるきっかけを作る
3 ハウツーではなく本質的な育児の学びを伝え広げる
4 日本中に育児の大切さを伝え広げる
となっています。

現在ミッションに書いてある事で実現している事として、1だと主力商品である抱っこ紐を通し、育児中のパパ、ママに貢献しています。抱っこ紐は0〜3歳の子供を持つ親が寝かしつけやおでかけに使うアイテムです。出産育児の中心はママになりがちで出産という大仕事を終えた後にも関わらず、24時間赤ちゃんに付きっきり。核家族化が進む現代では周りの協力を得にくいため、誰かに頼りたくても頼れない孤独の中で育児のストレスが増大してしまいます。

会話が生まれる抱っこ紐

黄瀬:そんな状況を打破するために誰もが思わず付けたくなる抱っこ紐、会話が生まれる抱っこ紐としてインナーメッシュ抱っこ紐が生まれました。買っていただいた方からは実際に地域の方から「どこの抱っこ紐?」とよく声をかけられて、そこから会話が始まったとか、パパと抱っこ紐の取り合いになったなどたくさんの嬉しい声をママから頂いています。育児の現実から価値を考えて新たなアイテムを生み出し発信する事で就学前の子を育てる親の時間と心の余裕を作り出すきっかけにこの商品はなっています。インスタグラムにも喜びの声と主に投稿していただいたりしてまして、デザインって本当に心の余裕を作るんだなと感じています。

今後の展望としては第1〜3フェイズまであります。第1フェイズは大きく分けて二つあります。一つ目は親の時間と心の余裕を作るものをお客様に広めるという事です。それは抱っこ紐を通してパートナー、親、友達、地域の人が自然に育児参加できるという事。そして、軽い、おしゃれ、機能的であるという事。この二つのテーマに沿って新たな抱っこ紐の開発を行い、取扱店舗を拡大します。さらに、大手育児ブランドとのダブルネームコラボやOEMが決まっていて、2019年度から毎月2500本販売を目標達成する予定です。

また、抱っこ紐前後にお客様が必要とする商品を開発、販売します。二つ目は親が未来に対してより良い選択ができるきっかけを作る事です。キューズベリーサイト上で嘘のない専門家によるコンテンツを発信し、より良い未来の為のきっかけを発信します。それは本質的な育児の情報の発信や栄養士によるアレルギー対応のレシピ、ライフオーガナイザーによる整理整頓術、専門家による産後ケア方法などです。コンテンツを充実させる別の狙いとしてはお互いの集客や認知拡大、キューズベリーのターゲットのママが常時来店する仕組みづくりがあげられます。

ファミリーコレクション

黄瀬:第2フェイズはちょっと面白いものにしたいと思っていまして、ミッション、ビジョンを達成するものとしてファミリーコレクションの開催を計画しています。簡単にいうとファミリー向け東京ガールズコレクションのようなものです。育児業界、アパレル業界、美容業界が提携し、ママ、パパ、専門家、学生と共に企画、進行します。ベビーカー、抱っこ紐など育児用品を中心としたファミリーコーディネートをグループ毎に提案してもらって、ママモデルやママ芸能人、公募したご家族にランウェイを歩いていただきます。

そこではファッション性だけではなく、しっかり育児の課題を解決している事も重視しています。各グループの発表が終わった後に投票を行い、上位グループには賞金をお渡しします。また、グループには学生枠を設けます。服飾学生がママ、パパに悩みや課題をヒヤリングし、それらを解決する衣服を作成します。このように関わってもらう事で貴重な社会経験となるだけでなく、育児に対するリアルな声、現状、知識として得てもらうことができ、日本中が親子を応援できる社会づくりの架け橋となってもらう狙いもあります。

また、ファミコレではランウェイの開催だけではなく、企業による自社商品や情報のPRブース、スタイリストによるコーディネートや専門家による産後ケアのワークショップ、子どもの発達について学ぶことができる講演会などを展開していきます。参加したファミリーは最初に入場料を払うのみで、これらのサービスを全て受け放題にします。ファミコレでは非日常的なエンターテイメントの中で楽しみながら本質的な育児の知識を得ることができると思っています。

ファミコレを知名度の高いイベントに発展させていく事で、日本中が育児は楽しくてオシャレなものであるという印象を広げていきたい。楽しいものがきっかけとなって育児のことを知っていってもらいたいなと思っています。また、知っていく事で日本中が親子を応援できる社会になっていきます。これを2019年度の秋頃に開催できるように準備していく予定です。

日本中が親子を応援できる社会へ

黄瀬:第3フェーズは喜びある親子の絆を深めるためにママ、パパ、子どもの居場所を作ります。5年後の2022年に立ち上げ予定です。そこでは第1フェイズでもお世話になった専門家の人たちが開くイベント、ママ、パパ、子供がいつでも来れる休憩所やワーキングスペース、子供が預けられる一時保育、ものづくりの体験、あとは自社の商品開発スペースなどがあるお店にしたいと思っています。これはまだ構想段階です。

これらの第1〜3のフェイズをする事により、ミッションである親の時間と心の余裕を作る事、親が未来に対してより良い選択ができる事、本質的な育児の知識と育児の大切さを伝え広げる事。そして、ビジョンである喜びあふれる親子の絆を深める事と日本中が親子を応援できる社会になっていくと感じています。

会員:大変社会的意義のある活動だと思います。よく理解できました。お忙しい中、誠にありがとうございました。

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<プロフィール黄瀬光晴

黄瀬商事株式会社 専務取締役
2011年黄瀬商事株式会社入社。
2015年に、代表であった父がとある理由で急に会社を辞任することになり、兄(現代表取締役)と私で経営1年生に。
その後、2人で経営理念を考え、「喜びを探す旅をしよう!」と定める。
私たちは、”抱っこひもを通して、パートナー、親、友達、地域の人が自然に育児参加できる”をテーマに掲げ、”軽い、おしゃれ、機能的”の抱っこひもを追求し、作り続けています。
今後は、育児雑貨の開発、販売だけに止まらず、笑顔いっぱいの親子の絆を広めるためコミュニティづくりに取り組んでいきます。