インタビュー|堀潤治氏【グリーンガーデン堀産業株式会社】東日本大震災をきっかけに始めた事業で地域・社会へ貢献する

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堀潤治氏【グリーンガーデン堀産業株式会社】東日本大震災をきっかけに始めた事業で地域・社会へ貢献する

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グリーンガーデン堀産業株式会社 代表 堀潤治氏
ライフ・カイロプラクティックラボ 代表 森下直樹氏
株式会社フォーユーカンパニー 代表取締役 宮本宏治氏

きっかけは東日本大震災支援を通じて感じた地元へ貢献したいという想い

ライフ・カイロプラクティックラボ 代表 森下直樹(以下、森下):まず、創業の想いやいきさつを教えて下さい。

 

グリーンガーデン堀産業株式会社 代表 堀潤治(以下、堀):もともと大阪市内の飲食業に5年ほど勤めていました。父親が亡くなったことをきっかけに、家も古かったこともあり家を継ぐために地元の四條まで戻ってきたのですが、そこでまた飲食業に戻るのか家を継ぐのか、のんびりと考えていました。
ある日、友人と飲んでいる時に東日本大震災が起き、「地震が起きたみたい」「そうなんだ」というような会話をしていました。翌日テレビをつけると、僕が知っている震災のレベルではなくて「大変なことになっているな」と思いました。僕が小学生のときに阪神淡路大震災が起き、母親が衣類などを段ボールに詰めて震災の場所へ送っていたのを覚えていたので、東日本大震災が起きたとき自然と「自分にも何か出来ないかな」と考え、周りの友達にも声をかけ、みんなでお金を集めて何かしようとしました。激安の衣類屋さんがさらに安くしてくださったので下着などを買ったのですが、いざ送ろうとすると送る方法が無いことに気付きました。とりあえず物を集めたのはいいけれど送れませんでした。また、寄付金も集めようと思い、商店街を回りました。知り合いの熱帯魚屋さんに行き、「寄付をしてほしい」と伝えると、「震災になればこれから組合など様々なところから声が掛かるから、あなただけに渡すことはできない」と言われ、「ああ、そういう団体はこういう時のためにあるんだ」と気付きました。今までは団体に所属していなかったのですが、その出来事をきっかけに携わることにしました。とりあえず町の区長さんに会うために連絡をしました。すると、僕のことを知って下さっていて、「今から、震災の次の日にでも持っていく」と言い出されて、それで一緒に物資をのせてもらいました。一週間後に「第二弾も行く」という話になり、友達にも「人生が変わるかもしれないから」と声をかけ、トラックを運転してみんなで一緒に物資を持って行きました。当時は原発の影響もあり「もう行かない」という友達もいましたが、すでに物資を集めてしまっていたので「僕一人でプリウスを往復してでも行く」と言っていました。すると、地元の業者の方や運送屋さんが協力してくれることになり、周辺の地域の方々がお金や物資を集めてきて下さり、近くの学校からも励ましの手紙400通ほどを集めて現地へ送ることが出来ました。
何かできないかなと一生懸命やった結果、みんなが手伝ってくれて物資をきちんと現地に届けることができたその喜びと、トラックで福島県の新知町というところの悲惨な光景を見て、戻ってきたときに自分の地元の良さ、美しさ、四条畷は3分の2が山といわれるぐらい緑や自然が多い街ですが、自分の町はすごく恵まれていると感じ、この街で生き、「この街に貢献したい」という思いからスタートしました。
しかし、いざ「何をして貢献するのか」というのがあったのですが、この緑豊かな四条畷の、その緑が全然活かされていないことに気付きました。四条畷の良さというのは身近な自然なんですね。田んぼや畑や山も見えるのですが、それらが今人口が減っているにも関わらず、どんどん宅地化しているのです。宅地化してしまうと元には戻せないんですね。それを見ていると、もっと田んぼや畑を有効に利用できないかなと。ちょうどおじいさんが自給農地で自分で野菜を作れるぐらいの農地を残してくれたので、そこで事業をしようかなと考えました。四条畷の俵(という山の方の区域)に砂栽培という農業を取り入れた株式会社があり、見に行って「おもしろい」と思いました。同じ四条畷ということもあり、半年間インターンとして農業の勉強をしたことがきっかけで自給農地に大型のビニールハウスを建てました。

 

体験型農業を確立するにあたってのチャレンジ

森下:それまでは全く?

 

堀:もともと農家だったので、おじいちゃんの代くらいまでは稲作をやっていたんですよ。でも、父親の代で稲作もやめてしまって、農地を語るために実もならない果物をひたすら売っていたんです。作物ができていないと農地とみなされないんですよね。四条畷の農地を持っている人たちはおじさんが多いのですが、稲作をやるか自分たちで野菜を作るか貸農園をするか、農地を保っていくための名目としての農業をやっているわけですよ。うちもそういう状態だったので、果物の木があり、それを一つ一つ友達にも手伝ってもらって引っこ抜いて、更地にして、業者を呼んで砂栽培のビニールハウスを建てました。考えてみると、農業では野菜を売っても生活していけないというのが現状なので、若い子たちは当然農業を仕事にしないというのが一つあると思いますし、当然農業者の高齢化になっているので、農業を続けていくことができません。特に都市近郊の農地では、地方と比べてだいぶ狭いので小規模農業しかできない、小規模農業で小さいものを作り、売ったとしてもなかなか難しいのです。大阪市内に売ったらいいじゃないかといっても、その小さい、少ない量を大阪市内に運んだところで生活していけないんですよね。
この四条畷市は北新地まで20分で都市近郊なので、体験型農業として野菜を売らずに収穫して頂いて、採った野菜を飲食店ですぐ食べて頂ける事業モデルを確立しました。チャレンジしたんですね。

森下:今、主に体験型農業としてされているのはどのような作物ですか。

 

堀:四季によって違うのですが、砂栽培という農法はその土地土地の路地環境に関係なく色んな作物を育てられるんですよね。ただボイラーとかを焚いていないので、ある程度天候に左右されるのですが、色々な種類を育てられます。なので、野菜だけじゃなくて当然、苺とかも作ることもありますし、最近は『エディブルフラワー』という食べられる花も育てています。これは地元の花屋さんと共同でしているのですが、お客さんが摘み取って楽しいものをやります。野菜を売るためには非常にきれいな野菜を作らないといけないですよね。やはりスーパー側も虫が食べたものとか虫がいる、穴が開いている野菜というのはお客さんが買ってくれないので。その分農薬を塗布しないといけないのですが、うちはなるべく減農薬で、栽培中に農薬は使わずに、使っても片栗粉みたいなものを溶かしたような、食べても害がないようなものを使っています。あとは微生物を使った農薬というか、そういうものも使っています。そのように安心安全な、虫でも食べられる野菜を作ります。当然お客さんが採っているときにも虫がいるんですよね。「うわー、虫がいる」とか「ここにカエルがいる」とか。お客さんも普段の大阪市内で虫を目にすることが非常に少なくなったので、虫がいる景色とかにびっくりされるのです。なので、その最中に「僕がちゃんときれいに洗いますから」とか、「これ虫が食べられる野菜なんです」ときちんと伝えています。そして、「こういう風に出来ているんですよ」という説明をしながら採ってもらっています。普段はバーベキューをやっているハーブ園があり、これはお持ち込みのプランやこちらでお食事をご用意するプランもあるのですが、お食事をされている間に採った野菜を調理してそこに出させてもらうという事業もやっています。

 

森下:始めて何年ですか。

 

堀:始めて3年半ですね。

 

森下:始3年半でそこまでの知識がいくものなのですか。

 

堀:その砂栽培というものに関しては、比較的素人でも関わりやすい生産方法なんです。

 

森下:広めやすいんですね。

 

堀:ただ、農業というのはどれだけベテランの方でも毎年毎年違うと言われます。気候とかによって毎年生産量も違いますので、皆さんと色んなことにチャレンジしています。一つ意識しているのは『利便性』です。今、自然が大事、生き物が大事と言われていても、いきなり里山にということは、やはりなかなか難しいんですね。その入り口として、まず野菜に触れる、見ることができるような環境が近くにないと、いきなりは行けません。もちろんその意識が強い方はどこまでも行けるけれど、これだけ野菜とか生き物が身近じゃなくなってきた中、都市近郊の農業の役割としては野菜を作るのではなくて、自然に触れてもらうとか、野菜に触れてもらうとか生き物を見る、触れるとか、そういうことがお客さんにとってのニーズになってきていると思います。気軽に体験できるということでお越しいただいているという形です。だいたい今8割ぐらいのお客様が市外からのお客様で、そういう面では地域の観光振興にも役立っているんじゃないかなと思っています。

祖父が残してくれた築80年の古民家と人徳

堀:他には、祖父が残してくれた古民家があるのですが、そこも父親が亡くなって1年間ぐらいは締めっぱなしにしていました。築80年ぐらいの古民家なんですが、1年間締めっぱなしにしているだけで白いカビが木に生えてくるんですよ。やっぱり昔の家というのは人が住んでお湯を沸かしたりして、そういうことで人間の環境と古民家の環境がちょうどマッチして長続きするんですけれども。「これはちょっと人を入れないといけないな」ということで、最初は何かいいことをしたいなという思いがあったので、お母さん達の交流の場として使ってもらいました。お母さん達って、いつも役所の公民館とかそういう固いところで交流をやっているので。それで、最初お母さんたちを呼んでいたんですけれども、収益が取れない、要望が多い・・・そして、どんどん「お母さんたち別にここじゃなくてもいいんじゃないかな?」と考えるようになりました。やはり継続していくためには、ちゃんとお金の仕組みを作って対価を得られるようにしていかなければ、というところに行きつきました。その頃、たまたま撮影のお話がありまして。古民家で撮影がしたいと。最初は「このひと怪しいな」「何を狙っているんだろう」と思いながらも、来た時にもしだめだったら断ろうと思っていました。そしたら、コスプレイヤーの撮影だったんですね。今『刀剣ランド』というアニメがありまして、DMMのゲームなのですが、正宗とか色んな刀があるじゃないですか、昔の歴史にあった、槍とか刀とか。そういう刀に美少年がそれぞれ精霊として憑いて、それを具現化してゲームをしていくという内容です。ワイルド系とか女っぽいとか子どもっぽいとかいろいろなキャラクターがいるんですけど、みんな美少年なんですよ。そのコスプレの撮影ですね。それが非常に流行っていて、それを昔の景色、古民家で撮影が出来るところにニーズがあってですね。すごくそこでマッチして、古民家撮影スタジオとしての利用が非常に多い状況です。これは人との出会いでこのような事業が生み出せたんですけれども。農業の場合は身近な自然が無くなってきたからこそのニーズが出てきたのに対し、古民家の場合は、昔のまま残してあるので、そういう雰囲気にニーズがあるのかなと思います。駅近くで、しかも大阪市内の古民家というとイノベーションして街カフェや古民家カフェをしていらっしゃいますけれども。別に京都に行かなくても、田舎の方に行かなくても、大阪から駅近ですぐこういうところがあるということで使っていただいています。
この2つの事業を軸としてやっています。

 

森下:色んな方の協力を得ていますね。

 

堀:そうですね。
比較的最初に失敗したのは、失敗というのか、従業員を最初に1人正社員として雇っていたのですが、そんなに大きな規模の仕事ではないので、やはり働いてもその方の給料を払うために自分が仕事をしているのではないかという感覚になってきて。その方にも仕事を考えて欲しいと思っていましたが、なかなかそれを伝えきれずにいました。その方は淡々と仕事をしてくれるのですが、自分で仕事を生み出すことはなかなかできませんでした。事業を始めたばかりということもあって、なかなか仕事を振れず、結局自分一人でやることになりました。今はアルバイトと僕とでやっていて、あとはできないことは地域と連動しています。例えば、ただバーベキューをしてもらうだけじゃなくて、地域のノルディックするところと協働して、ノルディックウォーク後にうちでバーベキューするとか。あとは古民家での事業と言えば、地元の近くにAirbnb(エアビーアンドビー)をされている方がいらっしゃったのですが、そこに来られる外国人を対象に古民家での日本文化体験をしたりします。日本文化体験もどこかで人を呼んでくるわけではなくて、地元の公民館でお茶教室や書道教室等をやっている方をお呼びして行っています。その方からすればお披露目の場になりますし、しかもおじいちゃんおばあちゃん達はフットワークが軽いです。
あとは地域のママさんたちに場所を開放してイベントをやったりもしています。そのように、バーベキュー以外でも地域との協働で新しいコンテンツを生み出して、それを販売していくということに取り組んでいます。

 

森下:地域のつながりというのは、おのずと出来たのですか?それとも何か仕掛けられたんですか。

 

堀:もともと自分のルーツとしてはおじいさんの存在がありました。おじいさんは地元では結構有名人というか、町会議員をやったり、戦後の日本、また地域という部分を支えた人でした。そのおかげもあって、僕が地元に戻ってきたときにみんな温かく迎えてくれたんですよね。「ああ、堀さんのとこのお孫さんか」という感じで。震災の時もそれがあったから「堀くんのところがやるなら応援してあげよう」とか、区長さんが協力してくれて応援してくれました。地元から離れていた時期も長かったのですが、パッと戻ってきてもおじいさんの徳があったので、やはりその部分が大きいですね。徳を感じた訳です。
その地域の中でもどれだけ小さな街でも、横の繋がりってやっぱり結構少なくて、どんな人がいるかっていうのが見えていないんですよ。なので、自分で足を運んで出会いを大切にしていって、横の繋がりをコーディネートしてあげるっていうことをしました。それは全然ビジネスとは関係ないんですけど、そういうこともずっとやってきました。一つ成果を挙げるなら、これは一般の市民ではないのですが、大阪産業大学の学生がゼミで地元の方と兼業農家の方と一緒に山の畑で野菜を作っていたのですが、出来た野菜を売るところがないということで、「グリーンガーデンさんもらってくれませんか?」と仰ったんです。「そんなもったいない事ないだろう」「学生が作った大根ですよ」と思い、もっと上手い活かし方があるだろうということで地元の焼肉屋さんと大学生が協働して作った『産大キムチ』というキムチを作って販売しました。他にも、その地域の人と一緒に集まって一つのイベントをしたりしました。そういう積み重ねで地域を良くしたいと思っていると、おのずとそういう人たちと出会い、「こういう人いるよ」と紹介してあげられたり紹介してもらったりということが増えましたね。

 

森下:気持ちが大切ですよね、やっぱり。

 

堀:そうですね。想いで通じている部分はあります。でも、小さい街ですけど未だにこんなに人がいたんだ、という出会いもまだありますしね。もうそろそろ地域の見える化をしていかないといけないなとは思っているんですけれども。

街づくりを仕事にしながら、若者が生活していける農地の仕組みを作りたい

堀:これらは「四条畷を盛り上げたい!」という一心でやっています。これからはホースセラピーとの協働を春からスタートして、空いているガレージがあるんですけれども、そこを馬小屋にして常時馬がいるような形にしてそこのNPOさんとの協働ということで。馬というとお金持ちの遊びという風なイメージがあると思うんですね。競馬であったりだとか、乗馬であったりだとか。競馬のサラブレッドになる馬というのは、馬全体の1%しかいないのです。他だと乗馬になるんですけれども。実際にその乗馬とか、あとは食肉もありますけど。食肉にするのも、太らせたり霜降りにするのに結構お金がかかるみたいなんですね。では、そうならない馬はどうなっているのかというと、ミンチになって動物園に・・・。そうして馬を遠い存在にすることによって価値を上げていっているのですよ。
ホースセラピーになると身近な人にセラピーを出来るので、もっと馬が身近な存在になって欲しいということで、そういうものをやっています。地元の子達が学校が終わって見に来たりとか、不登校の子どもが関わって世話をすることによって心を開いたりとか、そういうことをしています。僕は地元の人たちを知っているので、地元の協力を仰いだりしています。また、今後良い事だけではホースセラピーさんも生活していけないので、馬を使った事業、例えば今のノルディックウォークだったら馬と一緒にノルディックウォークを散歩して、終わった後バーベキューとか、それを大阪の法人さんに向けて。うちも組合のお客さんが非常に多いんですけれども、最近はレクリエーションも遠かったら集まらないですし、ありきたりなんだったらそれも集まらないので、少し違ったことをしたいなという風な。そういう感謝の懇親会的なものに対してのニーズとして、馬と掛け合わせたコンテンツを作って、それを販売して、収益の一部をホースセラピーさんに還元するということとか、馬と一緒に出来るブライダルとか。馬ともっと身近に過ごせるコンテンツを作っていってやっていきたいなと思っています。
あと、まだ理念が無いので、そろそろ作らないといけないと思っています。

 

森下:地域貢献、地域コミュニティーに対して一番大切にしている事は何かありますか?

 

堀:地域貢献に大切なことは、やっぱり僕は‘継続性’だと思いますね。持続可能ということに非常にこだわっています。イベントなんかは一発で出来るんですよ。ただ、地域課題というのはその一発でやっても、ただの啓発でしか出来ないんですよね。やはりお金が関わることによって循環して、どんどん促進して回っていくというか回転していくというか。そこを考えているので、本当に継続的にやっていくために他から頼らずちゃんと稼いで問題を解決していくような仕組みの大切さは意識していますね。一回目はどこかからの助成金なんかで何とかなるんですけれど、それが無くなったらできなくなってしまうので。直接じゃなく間接的にでも良いので、どこかで収入を上げて還元していって、毎年出来るようにしていく事が大事じゃないかなと思います。良い事だけを続けていくのは難しいですね。

 

森下:今後、事業的にはどうしようというのはあるのでしょうか。

 

堀:事業的には一つ、もう少しグリーンガーデンが活かせると思うので、そこを最大限まで活かしていきたいというのはあるんですけれども。今バーベキューをやっていますけれども、そこの使っていない時間帯とか、またブライダルに強化を入れるとか、そういう風なところはやっていきたいと思っています。あとは、ホースセラピーとの協働で地域コンテンツ、来てもらえるようなコンテンツ作りをしていきたいですかね。地域と作っていく。さっきも言いましたが、外国人に対しては地域の人たちと協力して文化教室付きの、体験教室付きの飲食とか、あとは、地元のNPOさんと協力してハイキング付きのコンテンツで飲食してもらうとか。そういう風な体験コンテンツを一緒に作っていってやっていきたいです。ただご飯を食べるだけではなく、色々な体験もお客様が選べて、こういうことがしたいというニーズに対して僕がまた協力して下さる方に連絡して、きちんとお給料を払って一緒にやっていくというようなことを増やしていきたいなと思っています。
街づくりを仕事にしたいんです。よく政治家や市議会議員になるのかと言われたりするんですけれど、全くそんな事は無くて、僕は町に関わりながらきちんと収益を上げて問題も解決してやっていくということに喜びを感じています。この地域しかできない仕事という部分で。今、若い人たちが地域で生きて行くのに既存の水道屋になりたい、電気屋になりたいといっても、もう無いんですよね。仕事の取り方も結局商工会に入ったり、地元の青年会議所に入ったり、または役所から仕事を振ってもらったりとか。役所もどんどんそういうお金もなくなってきているし、そこも埋まってきているんですよ。新しい人が地域で生きて行くのはなかなか難しいんですよね。なので、そういう新しい地域資源を生かした新しい職業というものを生み出していきたいなと。その前例作りというのを少しずつ作っていきたいなと思っています。やっぱりそれは、もともと仕事をできる場所はありますけど、それを作ってきていた先輩方がいるわけであって、そこを僕らの世代もやっていかないと次の若い世代に「おっちゃん、何してたんや」と。だから恥ずかしくないように何かチャレンジはしていきたいなと思います。成功するか失敗するかは分からないけれども、商売も続けて行けるようなチャレンジを。そのためには自分だけではなくて、地元の若い仲間作りがこれからは必要かなと感じています。やっぱりきちんとお金を稼がないと説得力がないんですよ。「お金持ちが遊んでいる」と思われるので。そこはきちんとお金という一つの収益を。
ソーシャルビジネスとか地域貢献とかを語っている人は、やっぱり稼ぐ必要があると思いますね。あまり地域貢献とか社会貢献とかに囚われ過ぎてもいけないと思いますけれどね。一つ思っているのが、僕はこの農地というのを失くしたくない、生き物の住む場所を失くしたくない、農地って、野菜ってこれだけ大事なんだ、と伝えたいけれども、それはお客さんには関係ないことであって、それをお客さんに伝え過ぎても運動っぽくて重たくなってしまうんですよね。あえてそこを言わずに楽しんでいただいて、最後の気付きとして持って帰ってもらったらそれで十分かなと思っています。やっぱり収益は大事だし、そこはNPOとは違って、結果的に社会貢献とか地域貢献になったらいいので、そこにあまり囚われすぎるとかえって難しくなるんじゃないかなと。これは僕の体験なので全員に当てはまるかはわからないのですが、僕はそう思っています。
課題としては生活していける農地の仕組みというのを作りたくて、現に僕はある程度給料も自分で稼げるようになったのですが、これが他の農地の所有者に当てはまらないのです。こういうのは少し特殊で、僕みたいにチャレンジしたいからできているけれども、他の兼業農家、特に、他に仕事があって農地を持っている人に同じことをやってくださいというと負担が大きすぎるので。これを成功したから見守っていけるわけではないので、そこも考えていく必要があると思います。そうしないとやっぱり都市近郊の身近な自然、子どもたちの遊び場、生き物の住み場所がない。今回も田んぼが宅地に変わったんですけれども、毎年カエルの鳴き声がすごかったんですけれど、パタッと止んでしまって、この秋なんかはバッタが大量発生しました。今まではカエルが食べてくれていたから。今の人たちは極端に生き物と離れすぎているんですよ。すごい生き物と遠いというか、虫を極端に怖がりすぎていたりとかしています。あと、カエルを見ただけでものすごく写真を撮り出すんですよ。それぐらい身近な自然がどんどんなくなっていく、トノサマガエルだって絶滅危惧種になっていますね。そういう問題があるので、逆にニーズも変わってきているなと思います。

 

森下:すごく勉強になりました。堀さん、本日はお忙しい中お話頂きましてありがとうございました。

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<プロフィール堀 潤治氏

堀産業株式会社 代表取締役
グリーンガーデン・古民家スタジオ縁屋 代表

大阪府四條畷市生まれの33歳。
元々は飲食業界に勤めていたが、東日本大震災のボランティアを機に生まれ育った地元四條畷で生きていくことを決意。
「都市近郊では人口が減少しているにも関わらず、農地が宅地化され続けている」地域課題に対し、都市近郊だからこそできる農の活かし方を目指した収穫体験付き飲食業「グリーンガーデン」を2013年5月にオープン。来客の8割が他市から訪れ、着地型観光の視点からも地域振興に寄与している。現在では、古民家再生事業、地域NPOとの協働など地域資源を活用したビジネスを中心に多岐にわたり活動している。

2013年近畿ソーシャルビジネスプランコンペ準グランプリ受賞
経営実践研究会 会員
大阪を変える100人会議メンバー

インタビュアー宮本 宏治氏

株式会社フォーユーカンパニー 代表取締役

インタビュアー森下 直樹氏

ライフ・カイロプラクティックラボ 代表