インタビュー|大棟耕介氏【NPO法人 日本ホスピタル・クラウン協会 理事長】闘病中の子どもたちに喜び・夢・笑いを

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大棟耕介氏【NPO法人 日本ホスピタル・クラウン協会 理事長】闘病中の子どもたちに喜び・夢・笑いを

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闘病中の子どもたちに喜び・夢・笑いを

「ホスピタル・クラウン」をご存じだろうか。入院生活を送る子どもたちに笑顔を届けたいと、パフォーマンスを行うクラウン(道化師)の活動である。 クラウンたちは、子どもたちを楽しませることはもちろん、衛生管理にも気を配る。訪問時には子どもたちの体調を確認し、子どもたちを驚かせないよう、きめ細やかな配慮を行う。
この活動を日本で広めていこうと設立されたのが、NPO法人 日本ホスピタル・クラウン協会である。「在り方大学」対談では、現役のクラウン「K」としても活動を続ける、同法人理事長の大棟耕介氏をゲストに迎える。<編集部より>

クラウンとしてのプロ意識

株式会社ユニバースプロダクツ 代表取締役 鈴木利和(以下、鈴木):団体の立ち上げから、これまでの経緯を教えてください。


NPO法人日本ホスピタル・クラウン協会 理事長 大棟耕介(以下、大棟):私は元々会社を興しており、そこでクラウンをしていました。
アメリカで勉強していた時に、病院で活動するホスピタル・クラウンを知りましたが、日本に導入するには、知識、経験、スキル、お金、時間、信用が必要でした。
私たちはクラウンのパイオニアですが、10年前に準備が整い、この活動を始め、11年目になりました。

鈴木:これまで、印象に残っている困難な経験はありますか?

大棟日々大変ですが、理事会ですね。赤字経営ですので。
毎回、理事会は厳しいですね。メンバーは私より年上の方ばかりなので(笑)。
目立つ団体ではありますが、認知が少ないのです。医療機関と言えど、すぐ出資はしてくれませんし、私もプレーヤーですので、自分自身の経営手腕で出資金を募るのは大変です。その上、新しいことに挑戦するのは非常に厳しいです。

鈴木:団体の資金源はどこですか?

大棟:いくつかあります。まず、画期的なことですが、病院が予算を付けてくださるようになりました。
私たちは、クラウンの活動をボランティアの感覚ではやっていません。クラウンとしてやっている以上、アマチュアもボランティアもありません。そこに、プロ意識があります。
例えば1人の病欠者が出ると、他のメンバーで、穴埋めをしないといけません。子どもたちも楽しみにしています。
ただし、病院が予算を付けてくださるケースは、70軒ある病院の内の10%にしか過ぎません。その他は、企業のスポンサーや助成金で賄っています。実際のところ、経営的には苦しいです。

鈴木:企業スポンサーは、一口いくらと決まっているのですか?

大棟:決まっていませんが、基本として1年間に個人の方は1人5,000円、法人は30,000円です。

「笑い」とは「理解」である

鈴木:対象は、子どもさんに限るのでしょうか?

大棟:はい。しかし「笑い」とは「理解」ですから、本当のところは子どもではなく、大人に喜んでもらうスキルが必要です。私たちはトレーニングしていますが、病院では特に難しいです。
現在はスキルを持ったクラウンが少なく、まだ栃木では活動がないです。なぜなら、クラウンがいないからです。
栃木は、少し東京から遠いですから、交通費もかかります。私たちは定期訪問をメインにしているので。栃木にも行きたいのですが・・・。
本当は、その場所に地元のクラウンがいるというのが理想ですね。さらに、資金的な理由から、地元からの支援で成り立つのが理想です。
例えば、足利赤十字病院なら、足利赤十字病院の応援をしたいという企業から資金を集めるといった形ですね。

鈴木:1回の訪問には、いくらくらいかかるのでしょうか?

大棟:1回の訪問で、50,000円と交通費ですね。1人当たり25,000円と交通費です。
平日に行くことが多く、それは私たちからアプローチしています。最近では、ドクター側からのアプローチもあります。
現在、奈良、熊本にはクラウンがいますが、病院が見つかっていません。
私たちの団体にとっては、クラウンを育成するより、育成してから活動していくことのほうが大変です。

クラウンとはキャッチボールのようなもの

鈴木:クラウンを始められたきっかけは、どのようなことですか?

大棟:私にしかできないことだと思ったからです。
知識、スキル、経験を持っているパフォーマーは、いません。組織もありません。
私たちの強みは組織です。そこに信用が付いてきます。上手なパフォーマーはいますが、ほとんど個人です。
病院に入るのですから、衛生の知識も必要です。


鈴木:「子どもたちを何としても笑わせたい」という思いは、どこから湧いてくるのですか?

大棟:プロ意識です。
例えば、子どもが亡くなってしまい悲しい、というのは、家族の意見です。
私たちは、あくまでクラウンです。子どもたちに「元気出して!」というのは、私たちの仕事ではありません。私たちの仕事は、友人や家族のように励ますことではなく、非現実的な明るい空間を作り出すことです。
現在は研修生を合わせると、80名います。
私は研修もやっていて、私にしかできない研修があります。病院や看護師さんに向けて講演会に行くこともありますし、夏休みには教員の方向けに講演もしています。

鈴木:講演によって、どのような部分が伸びるのでしょうか?

大棟:クラウンは脇役なので、相手に合わせる力、コーチングや感情表現に近いですね。それを教えていきます。
一人ではできないものです。みんなで勉強しないといけません。キャッチボールのようなものです。

ホスピタル・クラウン活動を応援してほしい

鈴木:素晴らしいお話でした。ホスピタル・ クラウンを応援したい方は、たくさんおられると思います。
日本ではNPO団体が広報活動をすることは、あまりよく思われないこともあります。しかし、私は必要だと思います。

大棟:最近、私は「寄付をください」と言えるようになってきました。
これまで10年活動してきましたが、客観的に見ても、この活動は本当に素晴らしいです。「この活動を応援してください」と言えるようになりました。

鈴木:現在、事業費の予算はどれぐらいですか?

大棟:規模としては、年間4,000万円ですね。

鈴木:分かりました。これからもいろいろ勉強させていただきたいと思います。本日はありがとうございました。

【在り方Webより 大棟耕介氏【日本ホスピタル・クラウン協会】闘病中の子どもたちに喜び・夢・笑いを

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<プロフィール大棟 耕介氏

1969年愛知県生まれ。総勢約40名のクラウン集団「プレジャーB」の創立者。
抜群の運動神経と大きな身体を活かした大技が得意。その場にあるものを頭の上に乗せてしまうバランス芸などのパフォーマンスは、観客を惹きつける。
病院を訪問する「ホスピタル・クラウン」の活動を、日本を中心に海外でも行う。その活動は新聞・雑誌・テレビで数多く取り上げられ、講演やテレビ取材も多い。著書『ホスピタルクラウン』(サンクチュアリ出版)は、2008年テレビドラマ化(フジテレビ)され、好評を博す。
現在は、「笑いは職場環境を変える」などの講演会を年間200本ほど行っている。
http://www.hospital-clown.jp/

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