インタビュー|金井光一氏【チャレンジド・コミュニティ】チャレンジドの自立・参加・協働で魅力的な地域社会づくり

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金井光一氏【チャレンジド・コミュニティ】チャレンジドの自立・参加・協働で魅力的な地域社会づくり

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チャレンジドの自立・参加・協働で魅力的な地域社会づくり

特定非営利活動法人チャレンジド・コミュニティ 理事長 / 有限会社コパン 代表取締役 金井光一氏

【対談】有限会社アップライジング 代表取締役 斎藤幸一氏

有限会社アップライジング 代表取締役 齋藤幸一(以下、斎藤):昔どうだったのか?今現在のこと、将来的に今後どうしたいのかということを聞かせてください。

 

特定非営利活動法人チャレンジド・コミュニティ 理事長 金井光一(以下、金井):現在、障がいを持っている人が人口の5パーセント超えています。100人に5人、つまり20人に1人います。手、足、耳、内臓の障がいを持っている身体障がい者、先天的に脳の障害のある知的障がい者、最近増加している心の病やコミュニケーションが難しい精神障がい者や発達障がい者など、色々な障がいを持った方が20人に1人もいます。さらに原因不明、治療法も確定していない難病の方も多数います。
チャレンジドとは、障がいを持っている方や難病の方のことで、生まれながらにして挑戦するように運命づけられた方という意味です。
チャレンジドには、ちょっとした支援があれば、他の人と同じ幸せを得ることが出来る方が沢山います。私たちは、軽い障がいを持った人たちを健常者の中で一緒に働けるチャンス、環境を作っている事業所です。
これからどうしたいかということを話しますと、焼きたて屋コパンでは、パンの製造・販売の仕事を通じてチャレンジドを雇用し就労支援を行っています。チャレンジド・コミニティでは、各種の職業訓練を行い、就職につなぐ支援を行っています。この2つの事業の人事交流などを行い、将来は2つの事業を統合して新しいステップを踏み出したいと考えています。

齋藤:金井さんは株式会社TKCで働いていたと聞いたのですが、上場企業を辞めてまでNPO法人を立ち上げた経緯をおしえてください。

 

金井:自分自身が生まれつきの身体障がい者でしたので、当事者の苦労や、もう少しこうだったらいいのになあと言うことを沢山体験してきています。障がい者には、教育、医療、行政サービスなどの支援が必要です。必要な支援の中で、健常者中心の社会の中で障がい者が参加するチャンス、特に仕事を得るチャンスが極めて少ないことに挑戦したかったので、なりふり構わず、仲間や応援団とともに実行してきました。
学生までは親や学校が支援してくれますが、成人した障がい者の社会参加、仕事探しはとても厳しい現状です。

 

斎藤:前職は超一流企業でしたが、会社を辞める決断は?

 

金井:前職では46歳で役員に就任し、システム開発部門の責任者として非常に責任の重い仕事をしましたが、2期4年の任期を終えて、予定通り50歳で福祉の道に入りました。

斎藤:家族は反対しませんでしたか?

 

金井:好きなことをやってきて、家族はあきれていましたが、自分の性格も知っていますし、やりたいことをやっていくぞと言う強い思いで、理解してもらいました。北海道札幌出身ですが、40年前は内地で仕事をすることが一人前だと思っていましたので、私も内地に出てきてサラリーマンを経験し、最後は自分を信じて事業を始めました。

 

斎藤NPOで誰かのためにという取り組みはいつのころからですか?

 

金井:NPOというのは、最近の制度です。介護保険制度が議論されはじめた平成10年ころから、福祉事業が規制緩和されて、民間事業者が参加できるようになりました。
平成18年に有限会社コパンを、翌年NPO法人チャレンジド・コミュニティを創設して、
営利企業と非営利事業の2つの組織を上手に使って、チャレンジドの社会参加の機会を創造し、就労支援を行っています。
福祉事業所のパンだから安かろう、まずかろうと思われるのは凄く嫌でした。営利企業の名刺で行政や福祉の市場開拓も難しいことを知りました。それならば、営利企業と非営利事業の2つの組織を作って、有利な方で営業して市場を開拓し、一人でも多くのチャレンジドの社会参加の可能性を図ろうという、打算的な戦略でした。
私たちは2つの組織を作り、2種類の名刺を作り、行政に行くときはNPO法人、民間の業者、マーケットの営業に行くときは有限会社を名乗り活動してきました。そして、3〜4年前ぐらいからは1つの名刺に2つの組織をいれ、やっと理解が得られたような気がします。

斎藤:チャレンジドITセンターはどんな取り組みですか?

 

金井:福祉サービスの種類でいうと、就労継続支援A型事業所といいます。障がい者を雇用して、IT関係の仕事をしながら職業訓練をしてスキルアップさせる事業です。自分たちでサーバーをたてて、ソフトウェアを組んだり、HP、ちらし、パンフレットを作ったりしています。11人のチャレンジドと3人のスタッフがいます。チャレンジドの半分は不慮の事故、病気等、中途障がいの方がいますが、生まれながらの障がいの方もいます。特別支援学校を卒業後に学び始めて、フォトショップやイラストレーターを使えるようになっている方もいます。

 

斎藤:先日、ヘイコーパックさんを見学に行ってきましたが、そこでも沢山の障がい者の方が働いていてすばらしいと思いました。就労継続支援A型事業所で学び、ヘイコーパックさんのような一般企業に就職するといったイメージですか?

 

金井:2つのパターンがあります。ここで学び、ここで働き続けたいという人も沢山います。また、ここでは満足できない、もっと大きな企業に行きたいという方もいます。

 

斎藤:アップライジングでも施設外就労として、宇都宮店は2〜9名、太田店は3名の方がタイヤを洗ったり、組み込みしたり、大活躍しています。
ところで、コパンさんのパンの味はどなたが考えているのですか?

金井:製造のプロが3人いますので、製造会議にて試作品作り検討を繰り返しています。

 

斎藤:パン屋さんで障がい者雇用という事例が多いですが、パンを作ることが障がい者さんに向いているのですか?

 

金井:現在は、冷凍の生地が開発され、軽度の障がい者にも簡単に作ることができることと、障がい者を応援してくれる多くの方は女性が多いので、パンはとても喜ばれるのです。私たちは、その中でも品質にこだわり、粉と水とイースト菌から生地を作るスクラッチ技法にこだわっています。

 

斎藤:将来的に、店舗を増やす予定は?

 

金井:宇都宮はパンの激戦区です。少し大きめのスーパーにも窯を持つベーカリーが入り、コンビニには格安のパンが並ぶ状況ですので、パンの事業を拡大するのではなく、多様なチャレンジドが働けるように事業の多角化を考えています。

斎藤:障がい者さん、難病を抱える人たち、そしてその方を支える方たちを対象とし、就労支援を推進し、安心して生活できる地域社会の実現が夢ですよね?

 

金井:高齢者が増えること、社会福祉への予算の伸びは難しいこと、これらを考慮すると障がい者への予算は今後大きな期待はできません。地域の中に障がい者たちが集える場所を作り、民間の施設で受け入れていかないと、日本の福祉制度はパンクしてしまうと考えられます。
要介護のお年寄りが増える中、介護士も足りない現状です。障がい者たちが幸せに暮らせるよう、いい組織を作り、それを継続していくのが目標です。

 

斎藤:今後、障がい者さんの受け入れ企業がどんどん増えていくといいですね。そういう企業が増えれば、日本は良くなる、世界は良くなりますね。
本日は、お話しくださり、ありがとうございました

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<プロフィール金井 光一氏

特定非営利活動法人チャレンジド・コミュニティ理事長 / 有限会社コパン 代表取締役
1953年、札幌市生まれ。株式会社TKCでシステム開発に長年携わる。脱サラして2006年5月にパンの製造販売会社である有限会社「コパン」を、さらに、翌年3月にNPO法人チャレンジド・コミュニティを立ち上げた。現在、同法人の理事長を務め、チャレンジド(障がいや難病等様々なハンディキャップを持つ人々)及び彼らを支える人々を対象とし、就労支援・発達支援を推進し、彼らが安心して生活できる地域社会の実現を目指し非営利活動を行っている。http://npocc.org/

インタビュアー斎藤 幸一氏

有限会社アップライジング 代表取締役
1975年11月14日 栃木県宇都宮市生まれ。作新学院高校英進部から法政大学経営学部へ進学。高校、大学時代にボクシング部のキャプテンを務めた。プロボクサーとなるが24歳で引退後、平成18年、有限会社アップライジングを設立。現在、代表取締役社長に就任し、世界中のタイヤ関係者が修行に来る中古タイヤ屋さんを目指して、新たな世界を極めようと日々奮闘している。